1. はじめに
Go Toトラベル事業は、失われた旅行需要の回復や旅行中における地域の観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナの時代における「安全で安心な旅のスタイル」を普及・定着させる目的で開始された事業です。
このGo To トラベルとは、以下のようになっております。
・ 宿泊を伴う(又は日帰り)の国内旅行の代金総額の2分の1相当を国が負担
・ 国が負担する2分1のうち、7割は旅行代金、3割はは地域共有クーポンとして付与
・ 給付上限は1人1泊2万円(日帰りは1万円)
・ 7泊分までを支援の対象
・ 国が負担する2分1のうち、7割は旅行代金、3割はは地域共有クーポンとして付与
・ 給付上限は1人1泊2万円(日帰りは1万円)
・ 7泊分までを支援の対象
10月1日からは東京都も対象となり、ますます活発化しています。感染拡大を受け、今後の動向が気になるところではありますが、今回はGo To事業の課税関係についてご紹介いたします。
2. 従業員がGo Toトラベルを利用して出張した場合の経理処理について
(※11月6日予約分からビジネスを目的とした旅行は、割引の対象外となりました)
従業員への精算方法として、Go Toトラベルの割引後の金額で経費精算を行う場合と割引前の金額(旅行代金総額)で経費精算を行う場合の二通りが考えられます。
① 消費税の適用関係
いずれの場合でも、旅行代金総額が課税仕入れの対象となり、仕入税額控除を行うことが可能です。
② 所得税の適用関係
割引前の金額(旅行代金総額)を従業員へ精算する場合、従業員が実際に支払った金額との差額が経済的利益として給与課税されるのではないかといった懸念があります。この場合には、旅行代金総額が所得税法「通常必要」とされる範囲内であるか、社内の旅費規程との確認を行う必要があります。
3. 個人でGo To事業を利用した場合の割引相当分に対する所得税の課税関係
個人の一時所得として所得税の課税対象となります。
しかし、一時所得には50万円の特別控除額があるため、実際の課税関係が生じるのは、その他の一時所得を含め、50万円を超える場合となります。そのため、実際に課税されるケースはそれほど多くないと予想されます。
4. おわりに
ビジネス出張を目的とする宿泊等におけるGo Toトラベル事業の利用は11月6日以降販売分より制限されていますが、すでに利用した分の経費精算が行われる可能性も十分にありますので、経理担当者は上記の事項に注意しつつ、適切に処理を行う必要があります。Do to事業の継続も含め、今後のアップデートについても引き続き注目していきましょう。
参考資料
国土交通省「Go To トラベル事業 Q&A集(2020年11月27日時点)」
https://goto.jata-net.or.jp/assets/docs/20201128_0030_faq.pdf(アクセス日:2020年11月30日)
税務通信3624号 税務の動向「GoToトラベル 旅行代全額が消費税の課税仕入れ」
税務通信3629号 税務の動向「GoToトラベル 旅行代金全額でも給与課税されず」
電話で問い合わせる03-6821-9455