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2018.08.31

収益認識に関する会計基準

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1. はじめに
我が国における益認識基準は、企業会計原則にて「売上高は実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限る。」とされておりますが、収益認識に関する包括的な会計基準はありませんでした。
よって、国際的な比較可能性の観点からIFRS第15号(「顧客との契約から生じる収益」)を基本原則とし、平成30年3月30日に企業会計基準委員会から「収益に関する会計基準」及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」が公表されました。


2.収益認識の基本原則
IFRS15号と同様に以下の5つのステップに基づき収益認識を行うことになります。
(1) 顧客との契約を識別する(契約の識別)。
(2) 契約における履行義務を識別する(履行義務の識別)。
(3) 取引価格を算定する(取引価格の算定)。
(4) 契約における履行義務に取引価格を配分する(取引価格の配分)。
(5) 履行義務を充足した時に、又は充足につれて収益を認識する(履行義務の充足)。


3.法人税の改正
従来、法人の各事業年度の所得金額の計算における益金の額は、別段の定めがあるものを除き、資本等取引以外の取引に係る収益の額とされており、その収益の額は一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとされておりました。
そのため、法人税法において、法人税法22条の2-が新設及び22条4項の改正が行われました。これらの改正は、収益認識基準の基本原則の考え方や取扱いを反映し、法人税は企業会計上の収益を容認したものと考えられます。


4.おわりに
今回のニュースでは「収益認識に関する会計基準」の概要を取り上げました。
なお、今回の解説も概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。


ご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までご相談ください。


(参考資料)
 企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」
 企業会計基準適用指針第30号「収益認識に関する会計基準の適用指針」
 「収益認識に関する会計基準」への対応について~法人税関係~ 国税庁平成30年5月

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