1. はじめに
平成27年3月2日のニュースにて「外国人の所得税確定申告」を配信しておりますが、平成29年分から個人の課税においても法人課税に準じた帰属主義への改正が行われ、非永住者の課税範囲も改定されました。
また、確定申告の時期でもあるので、再度概要をご紹介いたします。
2. 居住形態と課税所得の範囲
日本の所得税法は、個人を永住者、非永住者および非居住者の3つの居住形態に区分し、
課税所得の範囲はそれぞれ以下のとおりです。
居住者:
永住者 : ①国内源泉所得、
②国外源泉所得
非永住者:①国外源泉所得以外の所得
②国外源泉所得で国内において支払われたもの
③国外源泉所得で国外から送金されたもの
非居住者:国内源泉所得のみ
3. 非永住者に対する海外上場株式の課税範囲
平成29年分以後の所得税について、非永住者の課税所得の範囲の定義①が「国内源泉所得」から「国外源泉所得以外の所得」へと改正されました。さらに、平成29年度税制改正で、①の部分が「国外源泉所得(国外にある有価証券の譲渡により生ずる所得として政令で定めるものを含む)以外の所得」と改正され、平成29年4月1日以後に行う有価証券の譲渡により生ずる所得について適用されます。
よって、非永住者の海外上場株式に係る課税範囲は、以下のようになります。
a. 平成28年分までの譲渡所得
対象外
b. 平成29年1月1日~3月31日までの譲渡所得
課税
c. 平成29年4月1日以後
以下のいれずれかに該当すれば課税
取得日が平成29年4月1日以後、かつ、非永住者期間であるもの
国内において支払われ、または国外から送金されたもの
4. おわりに
今回のニュースでは「外国人の確定申告」の概要を取り上げました。
なお、今回の解説も概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。
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