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2023.07.31

インボイス制度の改正点- 2割特例

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1. はじめに
令和5年10月1日より、インボイス制度がスタートしますが、令和5年度税制改正において、さらなる負担軽減措置が設けられました。
今回は、当該改正のうち、免税事業者※(課税事業者選択届出書の提出により課税事業者となった免税事業者を含む。)がインボイス発行事業者(課税事業者)となった際の負担軽減措置である「2割特例」についてご紹介いたします。
※尚、免税事業者とは2年前(基準期間)の課税売上高が1千万円以下等の要件を満たす事業者をいいます。


2. 令和5年度税制改正 「2割特例」とは
「2割特例」とは、インボイス制度開始にあたり、免税事業者がインボイス発行事業者として登録したことにより課税事業者になった場合、消費税の納税額を売上税額の2割とすることができる負担軽減措置です。
消費税の申告を行うためには、通常、経費の集計やインボイスの保存等が必要になりますが、上記の特例を適用することにより、所得税・法人税で必要となる売上、収入を税率ごと(8%・10%)に把握するだけで簡単に申告書が作成できます。また、事前の届出も不要で、申告時に適用するかどうか選択が可能です。


3. 2割特例の適用対象者
2割特例の制度は、下記のすべての要件を満たす事業者のみが適用できます。
① インボイス発行事業者の登録を受けていること
② 仮にインボイス発行事業者の登録がなければ、事業者免税点制度により消費税の課税事業者にはならなかったこと
③ 課税期間の短縮特例の適用を受けていないこと


4. 2割特例の適用期間
令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において適用できます。


5. おわりに
今回は、令和5年度税制改正のうち、免税事業者がインボイス制度開始に伴い、課税事業者になる際の負担軽減措置である「2割特例」についてご紹介いたしました。上記のとおり、すべての消費税納税義務者がこの特例を適用できるわけではないので、申告の都度、ご注意ください。なお、今回の解説も、概略的な内容を紹介する目的で作成されたものですので、専門家としてのアドバイスは含まれておりません。個別に専門家からのアドバイスを受けることなく、本情報を基に判断し行動されることのないようお願い申し上げます。ご不明な点等ございましたら、お気軽に弊社までご相談下さい。


(参考資料)
 財務省
 令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について

 国税庁
 消費税 インボイス制度に関する改正について

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